チバニアンって聞いたことがありますか?
ジバニャンとは関係ないですよ。
実は、いま地質学の世界で大変盛り上がっている話題なんですよ。
少しややこしいですが、読んでみてください。
チバニアンとは何かというと、地球の歴史つまり、地層から地質年代を調べることによって、その地質の時代がわかります。
そして、地質時代区分の変化点によって、国際地質年代区分に分けられいるのですが、その国際地質年代区分の一つの時代の呼び名が、チバニアン(千葉時代)になるかもしれないのです。
じゃあそのチバニアンっていつ頃のことなの?
258万年前から始まる時代「新生代第四紀更新世」の前期(ジェラシアン期、カラブリアン期)に続く、中期(約78万年前〜約12万年前(この時代はまだ未定))には、まだ国際的な命名がされておらず、その時代の呼び名の候補として「チバニアン(千葉時代)」が、提案されています。
チバニアン時代ってどんなことが起きたの?
第四紀更新世の前期と中期の境目は、地球の磁場の逆転が起きた時代なのです。
『地球の磁場の逆転?』とはなにかというと、いまコンパス(方位磁針)は、地球の北をN、南をSにさしますよね(正磁極期)。 でもですね78万年前は、今と逆(逆磁極期)で、北がS、南がNになっていたんです。
つまり、チバニアンで地球の磁場(北と南)が逆転してるのです。
前置きが長くなりましたが、その地球の磁場が逆転した時期の地層を含む時代 チバニアン を、千葉県の養老川(市原市田淵)の崖で見ることができるんですよ。
下の写真(田淵の崖)に、赤色と黄色と緑色の杭がありますが、杭はそれぞれ次の時代を示しています。
緑色:北がN、南がSの正磁極期(今と同じ)
赤色:北がS、南がNの逆磁極期
黄色:磁場がふらふらしていた時代
(ちなみに、地球の磁極が逆転したといっても、次の日になったら磁極が逆転していたわけではなく、1万年くらいかかって磁極が逆転したのではなかと言われています)
そして、赤色の杭の下から3番目と4番目の間に、崖を横方向に線があるのが見えますすが、この線が、更新世前期と中期の境目で、
線の下がカラブリアン
線の上がチバニアン
なんですよ。
線になっている層が、白尾凝灰岩層(びゃくびぎょうかいがんそう)Bky-Eです。この層からチバニアンが始まることになるんですって。
(線のところに白い小さな看板にBey-Eと書いてあったのですが、文字がかすれてみなくなっていますが (T_T) )
チバニアンが正式に国際的な地質時代名に決定すると、Bky-Eの下底に更新世中期の始まりの地点として金色の杭(Golden spike)が打たれることになります。
ただ、市原市田淵の崖以外にも、イタリアにも2箇所の候補地があり、現在3箇所から一つに絞る地質学的な戦いが繰り広げられているそうです。
国際的な標準の地層を選ぶ検討委員会に、チバニアンの申請書をこれから提出するらしいのですが、その締め切りが、今年2016年の11月末なんだそうです。
検討委員会で認められば、地球の地質時代に日本の「千葉」という地名が、世界共通で使われることになるんですよ!
田淵の崖に、金色の杭が打ち込まれると嬉しいですね。
おまけ
地質学の世界では、千葉は太古の地層が地上で観察できる格好の研究場所らしく、日本全国から地質学の研究者が来て調べているらしいですよ。
そう言われると、銚子では、300万年前の地層なんかも見ることができたりするし、近所の崖もひょっとすると、すっごい昔の地層だったりするかもしれませんね。
この夏ちょっと川あそびに行った時に、崖の地層を見て昔に思いを馳せるもの楽しいかもしれませんね。
田淵の崖のある養老川も素敵なところで、クロアゲハが優雅に飛んでいましたよ。
自然の中は、いろんなものがあってたのしいですよ!