2014年10月23日

40人学級が、適正なのでしょうか?

今朝(10月23日)の日本経済新聞に、『小1の40人学級復活申請へ』という記事がありました。

この記事やニュースをご存知の方もおられると思いますが、内容は次のようなものです。
財務省が、2015年度予算編成で、公立小学校1年生の40人学級復活を、文部科学省に求めるというもの。

財務省が意図することは、これにより国庫負担をへらす(約90億円を見込む)ことです。
(90億円が、2014年度の国家予算 95.9兆円に閉める割合は、わずかに約0.01%)
(ちなみに教育関連予算の「文教及び科学振興」の予算額は 約5.44兆円(全体予算比5.7%)それにに対しての90億円の割合は、約1.65%)


そもそも現行法では、小学1年生のみ上限を35人とし、その他は40人としています。
この制度変更が行なわれたのは、2011年度に民主党政権によってそれまでの40人から35人へ
30年ぶりに引き下げられました。


文部科学白書 2010では、Topicとして少人数学級の推進が取り上げられ、その意義も記されています。
また、文部科学白書 2013においても、引き続き少人数学級の推進について記されています。


そもそも、1学級の人数はどのくらいのが、適当なのでしょうか。
他国との比較データが、文部科学白書 2013にありましたので、引用します。

アメリカ(ケンタッキー州)*初等・中等学校の在学年数は州によって異なる。
  • 就学前教育〜第3学年 24人(上限)
  • 第4学年 28人(上限)
  • 第5〜6学年 29人(上限)
  • 第7〜12学年 31人(上限)

イギリス
  • 初等学校 第1〜2学年 30人(上限)
           第3〜6学年 なし
  • 中等学校 なし

フランス
  • 小学校 なし 県レベルで毎年決定。全国的な編成基準は設けられていない
  • 中等学校 なし 各校の権限。全国的な編成基準は設けられていない

ドイツ(ノルトライン・ベストファーレン州)
  • 初等教育 第1〜4学年 24人(標準) 18〜32人(範囲)
  • 中等教育
    •  ハウブトシューレ 第5〜10学年 24人(標準) 18〜32人(範囲)
    •  ギムナジウム 第5〜10学年 28人(標準) 26〜30人(範囲)

日本
  • 小学校 40人(上限) *小学校1年生に関しては35人
  • 中学校 40人(上限)
  • 高校 40人(標準)

この数字を見ると、欧米などの主要先進国と比べて日本の1学級あたりの人数が、多いことがわかります。


逆に日本は、1学級あたりの人数を、より少人数化することにより、教育の質を上げたり、個人に対してきめ細やかな対応だったり、子どものことを考えた教育などを行なうことが必要なのではないでしょうか。

時間がかかることではありますが、結果的にこういった小さなことから一つ一つ行なって行くこと、教育に力を入れていくことが、市民の生活を豊かにしたり、国全体の底上げにつながるのではないでしょうか。


現時点では、財務省からの要求ですので、これを文科省が素直に受け入れるとは思えません。
しかしながら、この背景には、日本の財政が非常に厳しいという現実もあるのですが、この制度を導入したのが、先の政権 民主党政権が行なった制度ということに関係があるように見えたりもします。


このことに限ったことではありませんが、現在行なわれている政治が、近視眼的なものになんているように思えてなりません。
目先ことがよくなれば、その後どうなるかなど気にしていないように感じられたりもします。

政治とは、本来100年、200年先のことを考えて行なうものなのではないでしょうか。
少なくとも、50年、100年先の国のあり方を明確に指し示すことこそ、政治には必要なのではないでしょうか。


子どもの教育ひとつとってみても、いろんなことが見えてきます。
国を動かす政治家を選んでいるのは、我々市民です。

いまどんなことがなされているのかとか、
どんなことをしようとしているのかとか、
それによってどのように変わるのかとか、
我々市民が興味を持って、自分たちで考えてみませんか。


現代社会はたくさんの情報が氾濫していますが、情報に踊らされるのではなく、その真偽を見極める目を持ちたいものです。

そのために、いろいろな物ごとに対して鵜呑みにせず、そのことが50年後、100年後の為になることなのかどうかを、気にかけてみませんか。

そのそれぞれの想いを、示すのが選挙だと思います。
posted by あーす楽園 at 12:33| Comment(0) | ひとりごとまっくす
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